医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院

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呼吸器外科

診療責任者

雪上 晴弘
  • 部長

患者の皆さまへの一言

高齢化に伴い、呼吸器外科疾患の患者さんは増加しています。特に肺がんは70歳代をピークに増加の一途をたどっています。肺がんも早期に発見されるようになり、手術適応患者さんも増えています。当科ではより低侵襲な治療を目指し、胸腔鏡下手術を中心に行っています。入院期間も1週間程度で済みます。また進行した病態でも呼吸器内科と連携をはかり、抗がん剤治療を加えた手術療法で予後向上を目指しています。今後も最高水準の医療を提供できるよう研鑽を積んでまいります。

代表的な対応疾患

悪性疾患
肺がん(原発性、転移性)・縦隔腫瘍(胸腺腫、胸腺がん、胚細胞性腫瘍)・胸壁腫瘍(転移性など)
びまん性悪性胸膜中皮腫
嚢胞性疾患
自然気胸・巨大肺のう胞症
炎症性疾患
膿胸・結核・非結核性抗酸菌症・肺真菌症
良性疾患
縦隔腫瘍(神経原性腫瘍、のう胞性腫瘍)・胸壁腫瘍(神経原性腫瘍など)・肺過誤腫など
その他の疾患
重症筋無力症・手掌多汗症・胸部外傷

診療内容

肺がん
肺がんを疑う症例には積極的にPET-CT検査を行い、腫瘍の質的診断ならびに縦隔リンパ節転移の診断を行っています。 肺がんを含む肺切除術に胸腔鏡下手術を導入しており、約90%の肺がん患者さんに胸腔鏡下手術を施行しています。1.5~3cmの皮膚切開を3カ所に置き、モニター視のみで行う完全胸腔鏡下手術で行います。
完全胸腔鏡下手術

1.5cm・2cm・2.5~3.5cmの皮膚切開を3カ所に置き、モニター視のみで行います。
完全胸腔鏡下手術は術後の疼痛が軽微で、術後3~6日程度で退院となります。テレビモニタ-を見ながらの手術ですが、リンパ節郭清も通常の開胸手術と同じように施行できます。術者のストレスは大きいですが、患者さんが得られる恩恵は計り知れないものがあるため積極的に実施しています。
進行肺がんの患者さんには術後に抗がん剤を使用することで、予後向上をはかっています。分子標的薬剤であるイレッサ、タルセバに関しても、どのような患者さんに効果があるのかが判明してきました。日本人・女性・腺がん患者さん・非喫煙者以外に特定の遺伝子変異が効果の発現に関与していることが分かっており、EGFR遺伝子変異を調べ、再発した場合の治療薬の選択の指標としています。

○ 2016年3月に、ICG蛍光内視鏡システムを導入しました
低侵襲手術である胸腔鏡下肺区域切除(2018年は肺がん切除109件中28件)で有用です。切除する区域の血管・気管支処理後、ICGを静注し残存区域が蛍光を発色することにより、確実に区域間を同定して切除することが可能です。

側胸壁に3カ所の傷が付きます。

 

○ 2018年12月から、ロボット(ダヴィンチ)支援胸腔鏡下肺葉切除術を開始しました
術野を10倍まで拡大し、ヒトの手以上の器用さと可動域を持つインストゥルメントを使った手術です。
2020年6月から健康保険適用となりました。詳細はこちら

 

自然気胸
20歳前後に発症するのう胞性疾患で、のう胞が破れて肺が縮みます。若い男性は、突然の胸痛で発症することが多いです。手術は再発した自然気胸、明らかなのう胞を有するもの、空気漏れが止まらない場合などです。1.5cm・2cm・2cmの3カ所の傷で胸腔鏡下手術を行います。入院期間は術後2日程度です。
縦隔腫瘍

縦隔腫瘍は良性と悪性があります。良性で多い疾患には神経原性腫瘍、のう胞性腫瘍(胸腺のう腫、心膜のう胞など)があり自然気胸と同様に胸腔鏡下手術を行います。
悪性で多い疾患には胸腺腫があります。小さいものでは胸腔鏡下に摘出しますが、大きいものは胸骨正中切開による摘出術となります。

胸腔鏡下手術についての詳細はこちら

診療方針

当科では、エビデンス(科学的根拠)に基づいた最新の治療を行うことを基本とし、患者・家族の皆さまに、手術・治療の目的、方法、予測される結果を充分に説明し、理解していただいてから治療を行っています。 また、インフォームドコンセント(十分な説明と同意)を心がけており、患者さん用クリティカルパス(気胸手術患者用パス、胸腔鏡補助下肺切除患者さん用パス)を用いてより多くの情報を提供することで、不安を少なくしていただけるようにしています。
モニター視のみで行う完全胸腔鏡下手術に力を入れており、傷をなるべく小さくして患者さんに優しい治療を提供しています。

診療実績

疾患別の治療・手術・検査実績(件)

  2020年度 2021年度 2022年度
原発性肺がん 94 118 101
転移性肺がん 11 23 20
悪性胸腺腫 5 6 9
胸壁腫瘍(悪性) 2 2 0
びまん性悪性胸膜中皮腫 0 0 0
自然気胸 29 56 53
膿胸 3 0 4
結核、非結核性抗酸菌症 1 2 2
肺真菌症 1 3 3
良性縦隔腫瘍 6 4 10
良性胸壁腫瘍 0 0 2
肺良性腫瘍 2 5 4
重症筋無力症 0 0 0
縦隔鏡 3 2 0
硬性鏡 0 0 1
その他の手術 14 11 12

医師紹介

氏名 役職 出身大学 医師免許取得年 主な専門領域 指導医・専門医・認定医など
雪上 晴弘 部長 名古屋市立大学 1995年 呼吸器外科全般
  • 日本外科学会
    指導医、外科専門医
  • 呼吸器外科専門医合同委員会
    呼吸器外科専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会
    気管支鏡指導医、気管支鏡専門医
  • 日本結核病学会
    結核・抗酸菌症認定医
  • 肺がんCT検診
    認定医
  • 日本がん治療認定医機構
    がん治療認定医
細川  真 医員 名古屋市立大学 2017年 呼吸器外科全般
平野 絢子 医員 名古屋市立大学 2019年 呼吸器外科全般
柴田 晃輔 医員 浜松医科大学 2020年 呼吸器外科全般
山田  健 顧問 名古屋市立大学 1984年 呼吸器外科全般、胸腔鏡下手術、
肺がん診療、
縦隔胸壁疾患、縦隔鏡、硬性鏡、
がん緩和ケア
  • 日本外科学会
    指導医、外科専門医
  • 日本呼吸器外科学会
    指導医、呼吸器外科専門医、評議員
  • 日本呼吸器内視鏡学会
    気管支鏡指導医、気管支鏡専門医、評議員
  • 日本肺癌学会
    評議員
  • 日本胸部外科学会
    認定医、評議員
  • 日本消化器外科学会
    認定医

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