病理検査

病理組織検査とは
病変部の組織を採取し、良性・悪性の診断を行います。
手術や内視鏡から採取された組織は、そのままの形態を保持するためにホルマリン溶液で固定します。これに特殊な処理をして、数μmに薄く切った組織をガラスに張り付け、目的に応じた染色を行い病理組織標本とします。病理医はこの標本を顕微鏡で観察して病理学的診断をします。 結果は、主治医に返され、今後の治療方針が決定されます。
私たち臨床検査技師は、良質な病理組織標本作製により、正確な病理診断に貢献しています。

迅速組織検査とは
手術中などに切除した組織を迅速に病理組織標本にし、病理学的診断をします。その結果は手術方法や今後の治療方針に役立てられます。
細胞診検査とは
少量の細胞採取で、主にがん細胞の有無を調べる検査です。細胞診検査は検体採取が容易であり、患者さんの苦痛も少ないので反復検査がしやすい利点があります。
細胞をスライドガラスに採取し、染色後に細胞検査士(専門の資格を持つ検査技師)が顕微鏡で観察し、クラス分類(I~V)およびベセスダ分類または正常or良性、鑑別困難、悪性疑い、悪性で判定します。その後、細胞診専門医が標本を確認し診断します。

穿刺吸引細胞診とは
腫瘍病変が疑われるところに細い針を刺してほんの少しの細胞を採取して顕微鏡で観察します。主に乳房・甲状腺・リンパ節・唾液腺に対して行っています。当院では診療の場に細胞検査士が出向き、ベッドサイドで診断に適正な採取量を確認し、臨床医とコミュニケーションを取りながら、検体不適正とならないように努めています。

婦人科液状細胞診について
当院での婦人科子宮腟部検査(細胞診)は、一般的な直接塗抹法に加えて標本の標準化と診断精度の向上を目的に早期にThinPrepシステム(液状細胞診)を導入しました。
このThinPrepシステムは、婦人科細胞診用に開発されたもので、採取用ブラシを用いて採取した細胞は全て保存液に回収され、専用機械にて検査標本を作製します。このため、常に一定の標本が作製され、精度の高い検査結果を提供することができます。さらに、この検体を利用して、HPV遺伝子検査をすることが可能です。顕微鏡では右の写真のように観察されます。(ThinPrep標本)

病理解剖とは
病気で亡くなられた患者さんの遺体を解剖することによって、その死因・病因などを明らかにし、生前の臨床診断や治療が適切かどうかを検討して、医療の進歩に役立たせることを目的に行われます。当院では病理医と臨床医の間で定期的に解剖症例の検討会を行っています。
ISOに関する取組みについて
ISO認証施設として、以下に示す管理を実践しています。
  1. 毒劇物及び危険物の保管管理
  2. 毒劇物の使用管理
  3. 毒劇物の廃液管理
  4. 毒劇物の払い出し管理
  5. PRTR法に定められた化学物質の廃液管理
  6. リサイクル液の管理