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BKP(経皮的椎体形成術)

BKP(経皮的椎体形成術)とは?

BKPとはBaloon Kypoplastyの略号で、日本語では経皮的椎体形成術といいます。
人間は、特に女性は年齢を重ねていくと骨粗鬆症といって骨がもろくなります。骨粗鬆症になると、ちょっとした転倒や打撲で骨が折れやすくなります。特に折れやすいのは大腿骨頚部、脊椎(せぼね)、手首の骨です。この中で、脊椎(せぼね)の骨折の治療法がBKPです。

脊椎の骨折について

脊椎の骨折は、転倒、転落、尻餅などが原因で起こりますが、中には何もしていないのに脊椎の骨が潰れてしまうこともあります。椎体という骨が潰れると、当初は激しい痛みを伴いますが、安静にすることやギプス、コルセットなどで固定をして骨が固まっていくにつれて徐々に痛みが消えていきます。ところが、骨がうまく固まらず、いつまでも骨がグラグラしている状態が続くと、強い痛みが続いてしまいます。

方法は?

BKPは、グラグラする背骨を固めて痛みを止める手術です。
全身麻酔で、背中に約5mmの切開を潰れた背骨の両側に入れて、そこから潰れた椎体の中に丈夫な風船を入れ、骨の中で風船を膨らませ、潰れを直し、骨の中に空洞(穴)をつくります。その後、その穴の中に骨セメントを充填して、骨の内側からグラグラした骨を固めるものです。手術は20~30分で終了し、ほとんど出血もありません。

  • 背中から針を刺入し、骨折した椎体への細い経路を作ります。そこへ小さな風船のついた器具を入れます。

  • 椎体の中に入れた風船を徐々に膨らませ、つぶれた骨を持ち上げて、できるだけ骨折前の形に戻します。

  • 風船を抜くと、椎体内に空間ができます。その空間を満たすように、骨セメントを充填します。

  • 手術は1時間程度で終わり、骨セメントは手術中に固まります。

利点は?

BKPの利点は手術の侵襲が少ないことと、グラグラした骨を固めることですぐに痛みが緩和されることです。痛みが軽くなるため翌日から起きて歩くことが可能で、中には全く痛みがなくなる方もいらっしゃいます。
今まで、背骨の骨折に対しては保存的治療か骨を固定する手術しかなかったため、BKPは低侵襲で痛みを早く取るよい治療法だと考えます。

実績は?

2019年度 78件
2020年度 108件
2021年度 115件
2022年度 104件
2023年度 117件

当科では2012年4月よりこの方法を開始し、もうすぐ1,000例に届きそうです。すぐに痛みが軽減するため患者の皆さまに好評を得ています。

入院期間・費用は?

入院期間の目安、および1割負担の方、3割負担の方の自己負担金額は以下のとおりです。

  

手術内容

入院期間

自己負担金額(1割負担)

自己負担金額(3割負担)

BKP(経皮的推体形成術) ※1椎体

7日

6.7万円(食事代含む)

32万円(食事代含む)

SWIPE

※ 椎体数に応じて金額の変化あり

 

費用は高額療養費の対象になります。

健康保険や国民健康保険加入者が、同じ月内に同じ医療機関に支払う医療費の自己負担額(食事の費用・自費分は除く)が高額になった場合は、限度額の認定証の交付を受け、入院事務担当者にご提示いただくと、病院窓口での自己負担額が限度額までの金額となります。(70歳未満の方が対象で、健康保険組合や国保窓口に事前に申請が必要です。)
詳しくは入院案内もしくは当院医事室へお問い合わせください。