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ロボット支援前立腺全摘除術(保険診療)

ロボット支援前立腺全摘除術(保険診療)01

ロボット支援前立腺全摘除術(保険診療)とは?

当院では、2012年4月から保険診療として認可された「ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術」を泌尿器科(初期前立腺がん)において実施しております。
ロボット(ダヴィンチ)を利用して前立腺を摘除する腹腔鏡手術です。お腹の中を炭酸ガスで膨らまして行います。下図のようにお腹に小さな穴を6カ所あけ、ダヴィンチをドッキング(装着)し、穴からロボットの鉗子やカメラなどを挿入して手術を行います。
腸を上腹部に移動させるために体位を25度頭低位にして行います。

ロボット支援前立腺全摘除術(保険診療)02

まず前立腺と膀胱の間を切離し、それから前立腺および精嚢の周囲を剥離し、最後に前立腺と尿道を離断して前立腺を摘除します。前立腺を摘除した後、膀胱と尿道を吻合します。

①出血量が少ない
頭低位にすること、気腹圧がかかることにより出血が極めて少なくなります。
現在までに自己血を含め輸血を要した症例はありません。
②膀胱尿道吻合が繊細に行える
前立腺を摘除した後、膀胱と尿道をつなげますが、鉗子の先に手首があるため、骨盤の奥深い所でも細かい鉗子操作が可能となり吻合が確実に行えます。
③勃起神経温存手技が行いやすい
選択された患者さんでは勃起神経を温存する手技が可能です。ただしがんの根治性から適応には十分検討が必要です。

対象は?

転移のない限局性前立腺がんの方です。一般には75歳以下を適応としています。
頭低位で行うため未破裂の脳動脈瘤の患者さんや緑内障の患者さんは適応にならないことがあります。ただ緑内障については体位を頭低位にせず仰臥位で行う方法(後腹膜アプローチ)もあります。

実績は?

2019年度 90件
2020年度 81件
2021年度 57件
2022年度 63件
2023年度 47件
(2024年3月31日現在、手術件数778件)

効果は?

①傷の痛みが少ない、回復が早い 
傷の痛みが少ないため手術翌日から歩行することが可能です。また食事も手術翌日の夕方から食べることができます。
②入院期間の短縮、早期の社会復帰
術後5日で尿道の管が抜け、術後1週間で退院が可能です。早期の社会復帰が可能です。
③機能の温存が向上
拡大3D画像、鉗子の操作性の向上により鮮明な術野での繊細な手術が可能となりました。そのため、尿禁制や性機能の機能温存が達成できる可能性が向上しました。

入院期間・費用は?

入院期間の目安、および1割負担の方、3割負担の方の自己負担金額は以下のとおりです。

  
入院期間・費用は?

手術内容

入院期間

自己負担金額(1割負担)

自己負担金額(3割負担)

ロボット支援前立腺全摘除術(ダヴィンチ)    

9日

7万円(食事代含む)

51万円(食事代含む)

SWIPE

費用は高額療養費の対象になります。

健康保険や国民健康保険加入者が、同じ月内に同じ医療機関に支払う医療費の自己負担額(食事の費用・自費分は除く)が高額になった場合は、限度額の認定証の交付を受け、入院事務担当者にご提示いただくと、病院窓口での自己負担額が限度額までの金額となります。(70歳未満の方が対象で、健康保険組合や国保窓口に事前に申請が必要です。)
詳しくは入院案内もしくは当院医事室へお問い合わせください。