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婦人科における腹腔鏡下手術

婦人科腹腔鏡下手術とは?

卵巣腫瘍や子宮筋腫などに対して、以前はおなかを大きく切る開腹手術が行われていました。しかし近年では医療機器の発達によりおなかを大きく切ることなく、おへそを約1cm切開し、下腹部を約5mmの切開を2~3カ所追加し、カメラを挿入し、映し出された画像を見ながら、専用の手術器具を用いて手術を行う腹腔鏡下手術が行われるようになってきました。
当院でも積極的に腹腔鏡下手術を取り入れています。良性疾患の約8割は腹腔鏡下手術で行っています。また、初期の子宮体がんに対しても健康保険適応で腹腔鏡下手術を行っています。
当院では複数の日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医が在籍しており、安全に腹腔鏡下手術を行うように心がけています。

対象は?

現在婦人科で行われている腹腔鏡下手術は良性卵巣腫瘍、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、異所性妊娠、子宮内膜増殖症、初期の子宮体がんが対象となります。

利点は?

開腹術と比較して、侵襲が少ないため、術後の痛みが少ないです。そのため入院期間も開腹手術であれば10〜14日かかるところが、腹腔鏡手術では5〜7日と短くなります。手術創も開腹手術では20cmほど切開しますが、腹腔鏡手術では12mmの切開を1カ所、5mmの切開を2~3カ所行うだけです。美容的にも優れています。また術後の癒着が少ないため、術後癒着による不妊症となるリスクを下げることができます。

実績は?

  • 1婦人科における腹腔鏡下手術
  • 2婦人科における腹腔鏡下手術

入院期間・費用は?

手術費用と入院期間の目安、および1割負担の方、3割負担の方の自己負担金額は以下のとおりです。

  

項目

入院期間

手術費用(入院費含む)

1割負担者

3割負担者

腹腔鏡下附属器切除術

5日

61万円

5.76万円

19万円

腹腔鏡下子宮全摘術

7日

85万円

5.76万円

26万円

異所性(子宮外)妊娠手術

4日

59万円

5.76万円

18万円

SWIPE

切除部位の面積が大きくなるほど出血などの合併症の可能性が高くなり、食事の開始が遅くなる傾向がありますので、病変により日数が延長する可能性はあります。それでもほとんどのケースでは約2週間で退院が可能です(ただし、部位的に術後狭窄が予想されるケースは引き続き予防的バルーン拡張を行う場合があるので、1カ月程度かかるケースもあります)。

医療費が高額と予想される患者さんについて

費用は高額療養費の対象になります。

健康保険や国民健康保険加入者が、同じ月内に同じ医療機関に支払う医療費の自己負担額(食事の費用・自費分は除く)が高額になった場合は、限度額の認定証の交付を受け、入院事務担当者にご提示いただくと、病院窓口での自己負担額が限度額までの金額となります。(70歳未満の方が対象で、健康保険組合や国保窓口に事前に申請が必要です。)
詳しくは入院案内もしくは当院医事室へお問い合わせください。