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膠芽腫に対する電場腫瘍治療(オプチューン)

電場腫瘍治療とは?

電場腫瘍治療とは写真下部のような電極パッド(アレイ)を頭皮に4枚貼り、低周波の交流電場を持続的に発生させて脳腫瘍細胞の分裂を阻害する治療法です。体への負担が少ない治療法です。
治療機器の電場腫瘍治療システム(オプチューン)は、初回手術後に膠芽腫と診断されて、初期治療の放射線療法と併用して行われる化学療法(テモゾロミド)が終了した患者さんに維持療法として使用される治療機器です。
高額の治療法でしたが、初発膠芽腫患者さんへの保険適用が承認され、2018年度から保険診療で治療することが可能となりました。

[交流電場腫瘍治療システム]

 

  • 交流電場腫瘍治療システム

対象および方法は?

初発膠芽腫と診断された脳腫瘍の患者さんが対象です。
診断後、手術→放射線治療+化学療法での入院後、退院して4~7週間のタイミングでオプチューン治療を開始いたします。
頭皮に貼る粘着性シートに取り付けられたセラミック製の電極パッド(アレイ)を通して脳内に治療電場を作り出し、急速に増殖を繰り返す膠芽腫の細胞分裂を阻害することで、腫瘍細胞を抑えるよう作用します。基本的に自宅で行う治療です。バッテリーで作動する携帯タイプの医療機器で、昼夜を問わず継続して長時間使用することができるように設計されています。
化学療法などでみられる吐き気や食欲不振、血球数の減少などの全身性の副作用が少なく体に負担の少ない治療法です。アメリカのガイドライン(NCCNガイドライン)でもオプチューン+テモゾロミド併用治療は推奨されています。

治療実績は?

2018年度に保険適用となったため、日本では90例ほどの治療実績です。(2018年10月現在)
この治療は、大学病院を中心に行われています(東北大学病院、東京大学病院、慶応義塾大学病院、京都大学病院、金沢大学病院など)。

当院の現状は?

当院では2018年8月に愛知県下で初導入し、1例目の治療を開始しました。オプチューン治療の資格を持つ脳神経外科医(常勤医師)が初発膠芽腫と診断された患者さんへの治療がスムーズに行われるように取り組んでおります。

入院期間・費用は?

基本的に自宅で治療を行いますので、入院は不要です。治療開始の時に機器の取り扱いについて外来で医師から説明します。
機器のサポートは医療機器会社が行います。費用は保険診療の範囲内で治療可能です。

費用は高額療養費の対象になります。

健康保険や国民健康保険加入者が、同じ月内に同じ医療機関に支払う医療費の自己負担額(食事の費用・自費分は除く)が高額になった場合は、限度額の認定証の交付を受け、入院事務担当者にご提示いただくと、病院窓口での自己負担額が限度額までの金額となります。(70歳未満の方が対象で、健康保険組合や国保窓口に事前に申請が必要です。)
詳しくは入院案内もしくは当院医事室へお問い合わせください。