化学療法センター

患者の皆さまへ

がん薬物療法とは、抗がん薬を体全体に行き渡らせて、がん細胞に効果を発揮する全身療法の1つです。

がん薬物療法は、単独で行ったり、手術療法や放射線療法と組み合わせて行ったりします。目的も患者さんごとに異なり、治癒や再発予防を目的とした術前・術後の薬物療法や、延命や症状緩和を目的とした進行もしくは再発したがんに対して行う薬物療法があります。点滴薬や内服薬などを使用し、1剤だけでなく、1回の治療で3～4剤の抗がん薬を使用することもあります。
以前は、抗がん薬の治療は入院して行うものとされていましたが、吐き気止めの開発、治療方法の工夫などにより現在では、外来で行うことが主流となっています。
当院の外来でのがん薬物療法は、化学療法センターで行っています。化学療法センターでは、医師のみならず、看護師、薬剤師、管理栄養士なども薬物療法に長けた専門性の高い知識・技術を有し、医療チームを組んで治療に当たっています。「患者さんが普段の生活を送りながら、外来で安心して薬物治療が受けられる」ようスタッフが一丸となって細やかなサポートを提供しています。

主な業務と取り組み

安心・安全な抗がん薬治療の提供

多職種による事前カンファレンス

抗がん薬調製支援装置（ロボット）を使用し、正確な抗がん薬の調製を行うとともに、医療スタッフの抗がん薬の曝露の軽減を図っています。
また、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士が集まり、翌日治療を行う患者さんについて話し合う「事前カンファレンス」を開催しています。患者さん一人一人に対する注意点・確認事項などの共有を図り、手厚いサポートの提供に努めています。
多角的に検討が必要な症例については、積極的に「キャンサーボード」を開催し、さまざまな専門家で患者さんに適した治療方針を決定しています。

※キャンサーボード
手術、放射線療法および薬物療法に携わる専門医師や、その他の分野の専門医師および医療スタッフなどが集まり、患者さんの症状・状態、治療方針などを意見交換・共有・検討するためのカンファレンスのこと。

抗がん薬による副作用の軽減

抗がん薬は近年急速に進歩し、細胞障害性抗がん薬、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などさまざまな薬が開発されてきました。一般的に抗がん薬は効果を十分に発揮させるために、体が耐えられる最大限の量を使用します。そのため、高い確率で副作用が起こります。副作用も多岐にわたり、細胞障害性抗がん薬では骨髄抑制、吐き気、脱毛、下痢など、分子標的薬では高血圧、皮膚障害、血栓、出血など、免疫チェックポイント阻害薬では、免疫関連の副作用（皮膚障害、内分泌障害、肺炎、下痢など）が発現することがあります。これらの副作用を早期発見し、回避、軽減することが薬物療法を継続していく上で重要です。

薬剤師による副作用の聞き取り・薬剤指導

抗がん薬は近年急速に進歩し、細胞障害性抗がん薬、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などさまざまな薬が開発されてきました。一般的に抗がん薬は効果を十分に発揮させるために、体が耐えられる最大限の量を使用します。そのため、高い確率で副作用が起こります。副作用も多岐にわたり、細胞障害性抗がん薬では骨髄抑制、吐き気、脱毛、下痢など、分子標的薬では高血圧、皮膚障害、血栓、出血など、免疫チェックポイント阻害薬では、免疫関連の副作用（皮膚障害、内分泌障害、肺炎、下痢など）が発現することがあります。これらの副作用を早期発見し、回避、軽減することが薬物療法を継続していく上で重要です。医師の診察の前に、看護師、薬剤師が問診を行い、副作用の発現状況を医師へフィードバックするなど、チーム医療を実践することで、副作用の早期発見を心がけ､迅速に適切な対応をしています。
患者さんの副作用の状況に応じて､医師､薬剤師が協議を行い､抗がん薬の減量や治療の延期を行うなど患者さんに適した治療の提供に努めています。
また、看護師による生活習慣のケア方法の提供・教育などを積極的に行い、副作用軽減を目指しています。

がん治療に対する不安、疑問の軽減

がん看護専門看護師を配置し、患者・家族の皆さまが抱える問題や治療・療養中の困難に対して支援しています。また、がん患者相談窓口と連携して、がんに対する不安や疑問、療養生活などについてのご相談に、専門の医療ソーシャルワーカーや看護師がお応えします。
治療を進めると、吐き気や脱毛など抗がん薬の副作用に対する不安や症状の変化がみられたり、期待どおりに治療効果が得られず辛い気持ちになったりすることがあるかもしれません。安心して最善の方法で治療を進められるよう、看護師や薬剤師を含む医療チームで患者さんに寄り添います。