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2022年10月

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【尿路結石とは】〜尿路結石症のお話〜
【尿路結石とは】〜尿路結石症のお話〜

はじめに

尿路結石症は誰にでも起こりうる一般的な病気です。
今回は、尿路結石症について詳しくお話ししたいと思います。

尿路とは?

尿は左右の腎臓で作られ、尿管という細い管を下ってぼうこうに溜まります。そしてぼうこうから尿道を通り、男性では陰茎を通過して、女性では外陰部から体の外に出されます。この尿の通り道を「尿路」といいます。

腎臓の働き
1つの腎臓には、太い2本の血管がそれぞれつながっていて、大量の血液が流れ込んでいます。腎臓は血液をろ過して、体の中の老廃物や余分な塩分を尿として体の外へ出してくれます。

尿路結石症とは?

体内で分泌物の成分などが固まって生じる結石が尿路に形成される疾患です。
結石が存在する部位により、上部尿路結石症(腎結石、尿管結石)と、下部尿路結石症(ぼうこう結石、尿道結石)に区別されます。

日本では、男性の15%、女性の7%が上部尿路結石症になると言われています。これは、男性は7人に1人、女性は15人に1人が一生の間に1度は経験すると
いうことです。また、5年再発率が約50%と、再発が多い疾患です。
下部尿路結石症は高齢者に多く、男女比は4.5:1とされています。

尿路結石症の症状は?

1 痛み

上部尿路結石症の中でも、尿管結石が最も激しい痛みを感じやすいです。結石が存在する場所で感じる痛みだけでなく、尿管に詰まった結石が尿の流れをせき止め、尿が腎臓内に貯まって腫れることで(水腎症)、腎臓の被膜を伸ばし広げたり、尿が腎臓から漏れ出たりしても強い痛みが生じます。
また、結石が尿管内を下降していくことで、痛みを感じる範囲が帯状に移動します。

2 血尿

結石が尿路の粘膜を傷つけることで現れます。目に見える鮮血の場合もあれば、顕微鏡で初めて見つかる軽度の血尿や、全く血尿が見られない場合もあります。

3 ぼうこう炎のような症状

結石が下降し、ぼうこうを刺激することで、頻尿や残尿感、排尿時痛などのぼうこう炎を思わせる症状が現れることがあります。

他にも吐き気・嘔吐などの消化器症状や、
冷汗・動悸などの自律神経症状が
現れることもあります。
一方で無症状の場合もあります。

診断に必要な検査は?

主に以下の4種の検査を行います。

尿検査
尿試験紙法(※1)や尿沈渣(※2)を行い、尿潜血反応が陽性となった場合に尿路結石症を疑います。

  • ※1

    試験紙を尿に浸し、決められた時間経
    過すると試験紙の色が変化します。変色した試験紙を判定表で照合し判定します。

  • ※2

    尿を遠心分離機にかけ、集められた沈
    殿物を顕微鏡で調べます。

超音波検査
腎結石は写し出すことができます
が、尿管結石は一部を除き、写し
出すことが難しいです。
また、結石によって尿の流れがせ
き止められたことによる水腎症の
有無を確認します。

単純X線検査
多くの結石が石灰化像として写し出されます。
X線に写らない成分の結石(X線陰性結石)や、サイズが小さい場合、骨と重なる部位にある場合には、まれに確認できないことがあります。

CT検査
X線検査や超音波検査で結石が
確定できない場合や、結石の詳細
な位置・個数を調べる際に行いま
す。
X線陰性結石や水腎症も確認でき
ます。

尿路結石症の治療は?

1 保存的治療

無症状の場合や、大きさが10㎜以下の結石の場合は自然排石する確率が高いため、積極的な手術治療は行わず、保存的治療を行い経過を見ていくことが多いです。

保存的治療の基本は、水分を積極的に取って尿量を増やし、排石を促進することです。
(目安は1日2L以上の水分摂取が目標)

適度な運動も尿管に刺激を与えるので、排石に有効です。

尿管結石で痛みを伴う場合は、鎮痛薬や鎮痙剤(けいれんをしずめ、痛みを和らげる薬)、排石促進剤による薬物治療を行います。

ほとんどの結石(カルシウム結石など)は薬剤では溶けませんが、一部の結石(尿酸結石やシスチン結石)はアルカリ性の尿に溶けやすい性質があるため、尿をアルカリ化するクエン酸製剤による薬物治療を行います。
尿酸結石では、尿酸の血中濃度が異常に高まった状態である高尿酸血症の場合が多いため、尿酸生成を抑える薬剤(尿酸合成阻害薬)も併せて使用します。
シスチン結石では尿中のシスチンを溶けやすくする薬剤も使用します。
しかし、これらの薬物治療のみでは結石が残ってしまうことも多く、必要に応じて手術治療も併用します。

2 手術治療

10㎜以上の結石や、今は小さくても増大傾向が強く見込まれる場合や、尿管にはまり込み下降のきざしが乏しかったり、水腎症を伴ったりする場合などは積極的な手術治療を行います。手術は主に以下の方法があります。

ESWL(体外衝撃波結石破砕術)
音波の一種である衝撃波を体外から結石に向けて照射し、結石を細かく破砕する治療です。砂状に破砕された結石は尿と共に自然に体外へ排出されます。

TUL(経尿道的結石破砕術)
内視鏡を尿道から挿入し、結石まで導いて、観察しながらレーザーを用いて結石を破砕し、破砕された結石を体外へ摘出する治療です。

PNL(経皮的結石破砕術)
大きな結石に対して、背中の皮膚から腎臓までのバイパスを作成し(腎ろう造設)、ここから内視鏡を挿入してレーザーや専用の装置で結石を破砕し、体外へ摘出する治療です。

※当院では、症例によってTULとPNLを組み合わせて同時に行う手術を行っています。

尿路結石症の再発予防策は?

1 積極的な水分の摂取

水分の摂取量を増やすことで尿量が増え、尿中にある結石を促進させる成分(カルシウム、シュウ酸、尿酸、リン酸)の濃度が下がり、結石が生成されにくくなります。最も基本的な尿路結石の再発予防策で、尿路結石の成分を問わず効果的です。

一般的には麦茶、ほうじ茶などを食事以外に1日2L以上摂取することをお勧めします。

清涼飲料水やコーヒーや緑茶、紅茶には、尿路結石症の原因となる成分が多く含まれているため、多量摂取は避けましょう。また、アルコールにはプリン体(体内で代謝されて尿酸になる成分)が多く含まれるため、多量摂取は勧められません。

2 食事療法

尿路結石症は、生活習慣病やメタボリックシンドロームと関連していると考えられています。そのため、バランスのとれた食生活が重要です。

ポイントとなる成分

シュウ酸
結石を促進する成分であるシュウ酸を多く含む食品は緑茶、紅茶、コーヒー、ほうれん草、アスパラガス、たけのこ、里芋、チョコレート、ココア、ナッツ類などです。これらの過剰な摂取は避けましょう。
ただし、シュウ酸は水溶性なので、茹でることで吸収を減らすことができます。また、カルシウムを一緒に摂取すると、腸内でシュウ酸とカルシウムが結合して便中に排出されるため、尿中へのシュウ酸の排出を減らすことができます。そのため、これらの食品を食べる際は、茹でておひたしにしたり、カルシウムを含む食品と一緒に取ったりしましょう。
例)たけのこ+鰹節  ほうれん草+ちりめんじゃこ  コーヒーや紅茶+ミルク

カルシウム
尿中へのシュウ酸の排出量を減少させる効果があるため、1日600~800㎎のカルシウムを摂取することが再発予防に有用と考えられています。

塩分
塩分摂取を制限することで尿中へのカルシウム排出量を減らす効果があるとされます。厚生労働省は1日の食塩摂取量の目標を男性が7.5g未満、女性が6.5g未満と公表しており、尿路結石の患者さんにも勧められます。

プリン体
プリン体の多い食品(真イワシ、大正エビ、レバー、干しシイタケなど)の過剰摂取は尿酸値を上げて、高尿酸尿をきたすことで尿路結石の再発に繋がります。アルコール、特にビールにはプリン体が多く含まれるため、多量摂取は避けるほうが良いでしょう。

3 運動

適度な運動は肥満の解消にもつながり、尿路結石の予防に有効と考えられます。

まとめ

  • 尿路結石症の症状には結石の下降に伴う痛みや血尿、ぼうこう炎のような症状があります。
  • 診断は尿検査や画像検査を組み合わせて行います。
  • 尿路結石の多くは自然に排石されますが、衝撃波手術や内視鏡手術を要する場合もあります。
  • 積極的な水分の摂取、結石を形成しにくい食生活、適度な運動などで生活習慣を改善し、再発を予防しましょう。

尿路結石症を疑う症状でお困りの時は、
お近くの泌尿器科を受診してください。

コロナ禍でも、医療機関で
必要な受診をしましょう

1. 過度な受診控えは健康上のリスクを高めてしまう可能性があります。
2. コロナ禍でも健診や持病の治療、お子さまの予防接種などの健康管理は重要です。
3. 医療機関や健診会場では、換気や消毒でしっかりと感染予防対策をしています。
4. 健康に不安がある時は、まずはかかりつけ医・かかりつけ歯科医に相談しましょう。

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